2月6日18:00~19:00
「戦争法廃止」火曜日JR青梅線駅前スタンディング
第131回 羽村駅
セーター長袖を3枚重ね着し、上着を着ていれば大丈夫だろうと出かけてきたのだが、
あの時迷ったのが間違いだったと駅頭に立ってはじめて気がつく。
6時、とっくに日が落ちて、すでに零下と思われる気温の低さに加えて吹く風が
頬を切るように冷たい。
駐車場代を浮かすために西友ストアーで買い物をすると、常に増して客が少ない。
この寒さが人々の帰宅を急がせたためだったかもしれない。
羽村駅東口エスカレーター下、「この国は、二度と戦争をしないと誓った」
FB9条の会の幟を立て、「イマジン」を車止め下に置いたスピーカーから流す。
降りてくる人たちに、「お疲れ様です。戦争法に反対しています。読んでください」と
声をかけ、ビラを差し出す。
同じ曜日、同じ時間帯、多くは、同じ人たちだろう。
受け取る人、受けとらない人も、そう変わらないだろう。
それで、一人でも多くの人に届けばと、声を高め、勢いをつけてビラを差し出す。
チェックスカートの女子高生が二人、道路際の柱の下にカバンを置き、紙束を取り出す。
その姿で飲み屋のチラシ配りのバイト?しかし、白黒A5のわら半紙は店の宣伝には、似つかわしくない。
「ギブアンドテイク」とビラを物々交換する。メッセージを伝える会話のチャンスでもある。
「農林太鼓まつり・輝~かがやき~入場無料」。
高校生である自分たちの思いを太鼓で表現したいのだという。
生きている証をどのような形で、方法で伝えていくか、老若問わず、同時代の葛藤があり、戦いがある。
2006年に東京都立農林高校と東京都立青梅東高校を発展的に統合したかたちで開校した、
東京都西多摩地域で初めての総合学科高校、東京都立青梅総合高校の農林太鼓部の発表会。
今日は、28名の部員が手分けをして、各駅頭で宣伝活動をしているのだという。
例に漏れない少子化のあおりで、多摩地区でも高校の統廃合が行われ、苦肉の策で作られた
総合高校だが、10年余りの取り組みで、かっての評判以上の成果を上げているという。
子どもたちの意欲も高まり、口コミ評価によれば、都内の「いじめランキング」でも上位に位置する。
片方の子が降りてきた女性客にチラシを差し出し、両方の口から、「あっ」という声が、
同時に飛び出す。羽村在住の女性は、当の高校の職員だった。
「寒いでしょう。風邪をひかないようにね」と声をかけるそばから、
こちら「こちらも読んでください」とビラを差し出すと、「ご苦労様」と返ってきた。
女性の気遣いのように、今日は、ことのほか冷える。
スカートに短いソックスの素足。「新聞の投書にあったけど、ズボンの制服があればいいね」と言うと、
「そうなんですよね」と、紫に変色した唇で答える。
スカートの下にジャージを履いた瑞穂農芸高校の女子学生が男子学生と手をつないで階段を上っていく。
「ほかの連中、どうした」と、イケメン男子が声をかけてくる。
「先輩、もう行っちゃいましたよ。寒いですね。そろそろ限界、上がりましょう」と訴える。
「この子たちのスカート姿、凍えそうだよ。かわいそうじゃない?」と問いかけると、
「男でラッキーでした」という返事。
ええ!そう返ってくるか!?「差別の上に乗っかっている男はかっこよくないんじゃない」と返すと、
素直に、「そうですね」という顔がかわいい。
羽村高校の男子学生の集団にビラを差し出す。
受け取ろうとする子に、「取るな!取るな!」と止める一人の仲間。
それでも、受けとって読もうとする学生。「おまけだよ」と飴を二つ渡す。
仲間は、認知症気味の連れ合いの介護と来週開催する沖縄映画会の相談に向かう。
防寒対策に失敗して凍えたわたしは、焼酎のお湯割りが待っている家路を急ぐ。
(facebook Bさんの記事より)
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